ARICA Qualityの雑記帳

人材育成支援、コールセンター業務支援を生業とする個人事業主の日々思うこと、感じることを気の向くままに記録しているblogです。

近江商人「三方よし」の「売り手よし」の売り手とは?


 近江商人の「三方よし(売り手よし・買い手よし・世間よし)」を知ったのは、NPO法人顧客ロイヤルティ協会の「CS基礎講座」(現在は「顧客ロイヤルティ(CS)講座」として継続開催)でした。かれこれ15年ぐらい前のこと。

 最近、経営理念などで広く「三方よし」が使われているのを見ますが、「売り手」が“自社”を指していることが多く、ずっと違和感を持っていました。なぜなら、「売り手」というのは『近江商人に商品を売ってくれる人』と教わったと記憶していたからです。自分の利益のために売り手から安く買い叩いたりすることなく、「売ってくださる人にも利益が出る、よいことがある取引をする、売り手のことを考える」、これを「売り手よし」というのだ、と解釈、理解していました。「売り手」とは、商品を売る“自分(近江商人)”ではなく、“売ってくれる人”なのだと。

 

 もちろん、企業として自社の利益を追求することも大切。社会的役割を果たすために存続しなくてはならないから利益は必要(「儲けねばならぬ」も近江商人の哲学です)。でも、「売り手よし 買い手よし 世間よし」と、売り手がまず最初に来る“自分ファースト”のような表現と近江商人の哲学とのギャップもあって、ずっともやもやしていました。先日、理事長に直接確認してすっきりしました。「売り手」とは「売ってくださる人」でいいのだと。

 インターネット上では、ほぼ「売り手=自社」となっているけれど、もうあまり気にせずに伝えていこう、と思いました。インターネット上では色々な情報を目にします。もしも専門に研究されている方などから、「本当はこうだよ」といったご意見などをご教授いただけたら嬉しいです。

 

 ところで、「近江商人の商売十訓」というものがあります。そのうちの一つに「無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ」というものがあります。知床の事故の時に運営会社の社長が「お客さんが乗りたいから」と言っていたのをニュースなどで聞いて、この言葉を思い出しました。いくら乗りたいと言われてもお客様のためにならないならば乗せてはいけないはず。この場合は、「命」がかかっているから当然だけれど、例えば似合わないのに売るとか、実はたくさんあるだろうなと思いました。「近江商人」については、もっとちゃんと研究してみたいと思います。