ARICA Qualityの雑記帳

人材育成支援、コールセンター業務支援を生業とする個人事業主の日々思うこと、感じることを気の向くままに記録しているblogです。

【片側顔面痙攣闘病記③】専門外来受診‐執刀医との出会い-

 受診後しばらくするとコロナ禍に突入してしまい、“不急”の通院は控えることとし、病院探しはほとんどしなくなりました。

 

 そして何度かの緊急事態宣言などが過ぎて、久しぶりに母と会えた時に母から「痙攣がひどくなったね」の一言。その頃には痙攣の頻度がさらに高くなり、目が開きにくい状況でもありました。それがきっかけで、再び病院探しを本腰入れて再開しました。2021年10月のこと。

 すると、2年前に受診した病院に、いつの間にか「ボトックス専門外来」が新設されていました。専門医だから前の医師とは違うし、MRI画像もあるし、というわけで、まずは予約の電話をしました。月2回、土曜日の午後のみで予約は取れたのですが、衝撃的なことが2つ。

 1つは、なんと担当の専門医が年内で退職予定で専門外来がなくなるらしいことを告げられました。「別の病院を紹介します」とのことだったので、それなら、と受診予約をしました。

 ※結果的に、先生は引き続き土曜の午後は非常勤で外来診療を続けています。受診時に医師からそのことについては何も言われませんでした。

 もう1つの衝撃的なこと。症状が出ているのは右側なのですが、なんとカルテには「左側」と書いてあることが発覚。電話の向こうの職員の方もびっくり。当時の消極的な医師のことを思い出し、あの時の残念な気持ちが思い出されてさらにちょっとイラっとしました。

 

 そして、電話予約から約3週間後ぐらい経って、専門外来を受診しました。ようやく名前を呼ばれて診察室入室。想像より若い医師で、「お待たせしました」ととても丁寧でした。そして「左…」とおっしゃるので、「実は右側なんです。カルテが違うみたいで」と言うと、「じゃちょっと待ってください。もう一度しっかり見ます」と言って、画像を見直していました。何気ないやりとりですが、その様子がとても誠実に感じられました。画像を見て合点がいった様子でした。そこで、「2年前の受診時にはこう言われた、痙攣の頻度が高くなった、専門外来ができていたので画像があるから、まずはこちらへ来てみた、ボトックス注射を打ちたい」といったことを話しました。

 

 それから、病気について、ボトックスについて、デメリットも含めて、とても丁寧にわかりやすく説明してくださいました。また、前回の医師の対応についても「同じ脳神経外科でも専門が違うと難しいことがある」こと、ご自身は専門であることなど、不安や不満を取り除くような姿勢が感じられました。

 また、「根治治療は手術であること、ボトックス注射は打ち続けると麻痺が残る恐れがあること、10回打つぐらいまでに手術に向けた心の準備、決断をしていただく、と考えていただくとよい」ということ、手術のことなどを、それはそれは明快に淀みなく説明してくださり、とても説得力がありました。職業柄、話し方や説明のしかたなどを研修で伝える立場でもあるので、話を聞いた時に「本当のプロかペテン師並みの説得力」と感心したことを覚えています。

 まずはボトックス注射を打つことを、その場で決断し伝えました。翌週土曜日に打つことがすぐに決まり、退室。翌週は専門外来の日ではないけれど、先生の診療はあるようで、こちらの都合に合わせて午前中の無理な希望も受けてくださいました。退室後、看護師さんから書類をいただき、説明を受け帰宅しました。

 

 がっかりした2年前の受診から一転、とてもすっきりした気持ちでした。根治治療ではないけれど、ボトックス注射を打つことでこの痙攣が少しでも軽減されるのか、と思うと、スキップしたくなるくらい。私にとっては、とても信頼できる医師との出会いであったことも、とても嬉しい出来事でした。一週間後のボトックス注射がとても楽しみになりました。